シロアリの生態・種類
日本には現在22種のシロアリが生息していますが、建築物を加害するシロアリは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。そのほか、最近“乾材シロアリ”の仲間であるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害が増えてきています。
シロアリは社会性昆虫で、女王・王、副女王・副王、働きアリ、兵アリなどの階級があり、ヤマトシロアリの場合、下図のように分化・発育します。

建築物を加害するシロアリは主にヤマトシロアリとイエシロアリ です。
そのほか、最近“乾材シロアリ”の仲間であるアメリカカンザイシロアリと ダイコクシロアリの被害が増えてきています。
ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、それに南西諸島、小笠原諸島に分布 しています。イエシロアリは千葉県以西の温暖な海岸線に沿った地域に散発的に発生しており、ダイコクシロアリは奄美大島以南に分布しています。
羽アリの群飛期はシロアリが人前に姿を現す唯一の時期ですので、シロアリ発見の絶好のチャンスです。群飛の時期や時刻に注意していれば、シロアリの種類の判別にも役立ちます。

イエシロアリは建物や土中に塊状の大きな巣をつくり、普通 数十万匹、大きいものでは100万匹にも達します 。加害速度も速く、被害は激烈です。
建物の乾燥した木材でも水を運んできて湿しながら加害しますので、被害は建物全体に及びます。食痕は乾燥しており、きれいです。
群飛時期 6~7月の夜に群飛して電灯に飛来します。

ヤマトシロアリは特別 に加工した塊状の巣はつくらず、加害箇所が巣をかねており、適当な生活場所と餌を求めて集団で移動する習性があります。
とくに湿潤なところを好みますので、湿った木材や土中で生活していることが多く、主に建物下部を加害します。被害は腐朽と同時に起こることが多く、食痕は 多湿で汚ないです。 群飛時期 4~5月(ただし沖縄2月、東北・北海道6月頃)の昼間です。

乾材シロアリは特別に加工した巣や蟻道をつくらない。
乾燥した木材中に坑道を穿って小集団で生活しています。生活には特別に水を必要とせず、建物の乾 燥した木材やピアノ・ステレオ・たんす・鏡台・机などの家具類を食害します。被害材の食害孔から乾いた砂粒状の糞を排出するのが特徴です。
群飛時期 6~9月の昼間に数回ずつ何度も群飛します。
シロアリの被害はこんなところから
住まいの安全がシロアリによって最初におびやかされるのは、床下や屋根裏などのふだん目につかない部分や、浴室や洗面所、トイレなどの主に水を使う場所です。これらの場所はすべて湿気がこもりやすいため、シロアリやカビの発生、木材の腐朽が起こりやすいところなのです。

シロアリの侵入経路
各建物によって侵入経路が異なります。

※基礎断熱住宅の場合はご注意ください!!

シロアリはコンクリートの亀裂部分や基礎立ち上がりより家屋に浸入します。その際、通り道(蟻道)を形成するため目視で発見しやすいのですが、基礎断熱住宅の場合、断熱材を撤去しないと蟻道が顕在化しないため、被害の発見が遅れる原因となっています。